こんな症状の方は 東京の矯正歯科、高輪矯正歯科医院
代表的な症状について、一般的な矯正方法を解説します。
<出っ歯>
出っ歯は、上下の歯を噛み合わせたときに、上の歯が前方に出過ぎているケースです。原因としては、下あごが小さい、上あごが大きい、上下のあごのバランスが悪いといったことが考えられ、噛み合わせたときの前後のずれを直す必要があります。
出っ歯はみっともないだけではなくて、しゃべりにくかったり、お子さんの場合は転んだときに前歯を傷つけやすいという問題もあります。
お子さんの場合
まだお子さんの場合は、出っ歯を放っておくと、出っ歯のまま大きくなってしまいます。これを治療するには上あごが大きくなるのを若干を抑えるか、逆に下あごを少しでも前方に出すように整形学的なアプローチによって治せるでしょう。
このように成長期の患者さまには、時間をかけて成長をコントロールすることによって、永久歯が生え揃うころには望ましい上下の噛み合わせができるように骨格から矯正を行うことができるのです。
大人の場合
大人の場合は成長余力がなくて、骨ができあがってしまっています。上下のバランスを整形学的に変えることはできないので、カモフラージュしていくことになります。その方法としては、歯を抜く矯正治療もひとつの方法です。奥歯でかみ合わせようとした時に、上下の前歯がまず強く当たる場合には、噛む度にあごの関節ごと下あごが後ろにずれてしまうケースもあります。噛み合わせを矯正し、あごの関節が前にせり出して下あごがずれ始める前の位置まで戻ってくれば、手術をしなくても骨格的な改善が望めるでしょう。
<受け口>
アントニオ猪木さんのように、スポーツ選手で下あごが発達している人はとても強そうに見えますが、一般の人であれば「受け口」はあまり望ましいことではありません。これも出っ歯と同じで、早い段階から時間をかけて手を加えていくことが一番有効だと考えられます。
お子さんの場合
わたしの経験でも、5歳ぐらいで受診して、成人のころ最終的にきれいに治った患者さまがいらっしゃいます。時間はかかりますが、実際に治療をする期間はそのうちの3年間程度で、月に1度から2カ月に1度程度の来院ですむと思います。
このように治療すると非常に安定するので、後で問題が起こることはありません。わたしとしましても、一人のお子さんの成長にずっと関わらせていただくという喜びを感じることができました。
受け口がどのくらいよくなるかは、下あごがうまく成長するかどうかにかかっています。しかし下あごには、普通ならば成長が終わる18歳以降も、ずるずると成長が続く晩期性の成長のケースがあります。ですからいつ下あごの成長が終わるのかについての見極めが難しいわけです。もし永久歯全体の噛み合わせを調整するために歯を抜いてしまうような決定的な矯正治療を始めた後に晩期性の成長が起こってしまうと、その後の治療についてとても困ったことになってしまいます。
一人ひとりの成長度合いを慎重に見極めて治療を行う必要があります。そのために治療期間も長くなりがちです。
大人の場合
大人の受け口の矯正治療でも、手術が必要なケースは少ないと思います。方法としては親知らず以外の歯はまったく抜かないというやり方や、下の小臼歯を2本だけ抜いた後に矯正を行う方法があります。矯正治療では、下の歯を抜く場合第1小臼歯を抜くのがセオリーですが、このケースでは第2小臼歯を抜いたほうがうまくいく場合があります。この方法で、他の矯正歯科では「手術が必要」と言われた方でも、かなりの確率で手術をせずに受け口を直すことが可能になります。
<乱ぐい歯・八重歯>
乱ぐい歯や八重歯は、現代人にとって非常に多い症状です。昔と比べると現代人は、食事や生活の変化によってあごが先細りしていますから、前歯が並びきれなくて乱ぐい歯になってしまうのです。あるいは永久歯が生えてくる前に乳歯が抜けてしまい、そこに他の歯が入ってきて順番が変わることが原因のケースもあります。
お子さんの場合
まだあごの骨がやわらかくて、成長余力があるお子さんのころから治療を始めれば、9割以上の人は歯を抜くこともなく治療することが可能です。
現代の食事は柔らかいので、噛んでもあごに力が伝わらず、あごの骨の成長をあまり促しません。ですからあごが成長しない。ということが乱ぐい歯の原因になるのですが、あごの骨を少しずつ横に広げる拡大装置(床矯正装置、上顎急速拡大装置=RPE)などを使って人為的にあごの骨を大きくすることで本来の歯並びになるようなあごの成長に近づけてやることも可能です。これによってほとんどの乱ぐい歯は矯正することができます。
大人の場合
大人の場合は、あごの発育が終わって骨が固まった後に拡大するのは大変です。何本か歯を抜いてでき上がった骨格に合わせて歯並びを直すことになります。歯を抜かずに治療するテクニックとして、エナメル・ストリッピングという方法もあります。
歯の表面はだいたい1~1.2ミリ程度のエナメル質で覆われています。このエナメル質を半分程度を削れば、隣り合った部分同士で1ミリ程度削ることが可能です。これを何カ所かで行えば、5~6ミリ程度のすき間であれば容易に作ることができます。これは1本分の歯の大きさに相当します。さらに大人でも多少は歯列の拡大を行うことができますし、歯が内側に倒れ込んでいる場合は外側に戻せばさらにすき間をつくることができます。
そうしたことを積み上げて歯を動かす余地を作り、きれいな歯並びに戻していきます。
<開咬>
これは噛み合わせたときに上下の前歯がうまくかみ合わない症状です。上の歯が下の歯にかぶさらないので、うまくものを噛み切ることができません。常に舌で上の歯と下の歯の間のすき間をふさぎながら生活するようになってしまいます。ご本人はその状況に慣れているのですが、それを続けていくとますます開咬は悪化します。
見た目も悪いし、食事もうまく噛めませんが、それよりも寝ているときに前歯が触れ合っていないことによって、普通の人に比べて無意識に奥歯に強い力がかかってしまうために顎関節症が悪化したり、歯の摩耗が進んでしまうこともあります。歯並びが悪いとそういった問題も出てきます。
お子さんの場合
成長期に開咬を治すためには、息をする、話す、食べるという機能の異常を改善しながら成長発育の量や方向をコントロールしなければなりません。あごの骨の成長方向に原因がある開咬では、整形学的な治療でその成長方向に働きかけます。その結果、強く当たりすぎていた奥歯のかみ合わせは弱まり、より深く噛みこめるようになって来ます。同時に、前歯が舌で押さえ込まれていれば、そのような舌の悪習癖を取り除きながら、前歯をもっと生えてくるようにする必要があります。
大人の場合
成人の場合は奥歯が生えてすぎているケースがあるので、矯正装置や矯正用インプラントを使って奥歯を歯茎の中に押し戻します。萌え過ぎて、お口を閉じる際のつっかい棒になっている奥歯を歯茎の中に押し戻すことによって、口が閉じやすくなります。その場合は歯を清潔に保っていなければ、歯周病や歯肉炎が起きやすくなるので注意が必要です。前歯を引っ張る矯正用の輪ゴムは、1日のうち18時間くらいはつけていなければ、なかなか治療が進みません。
<顎関節症>
顎関節症はあごの関節の機能不全の総称で、原因別にさまざまな病態に分類されます。中には、小さいころから噛み合わせが悪いことで、あごの関節にズレが生じる方がいらっしゃいます。上下の噛み合わせがうまく合わないために、なんとか噛むところまで、自分であごをずらしてものをかむ習慣がついてしまって、ますます顎関節症が悪化するわけです。
このような場合には、矯正治療が効果を発揮します。矯正治療でその人本来の噛み合わせを回復し、あごがズレない様にすることで、あごの関節にストレスのない噛み合わせを実現することができます。ただしあごの関節構造が壊れてしまっている場合には、カクカクするような症状は続いていくでしょう。
人間の身体は、きちんと直せばそれに適用する能力が高いので、矯正治療を行えば正しい方向に治ります。「矯正治療をやってほんとによかった!」と思われる方が多いのは、そのようなケースです。
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